私は、千夏が待っている駐輪場へ向かった。
「ごっめーん!遅くなった!」
携帯をいじりながら千夏が待っていた。
「いいよ!じゃあ行こっか♪」
私達は自転車をこぎながら、制服デートと言うものをした。
まぁ、本当は大樹としたかったんだけどね。
「ねぇねぇ!プリ撮ろっか♪」
プリクラか…
女子高生の定番だよね!
「うんっ!」
《ハイチーズ☆》
カシャッ"
「愛超かわいい~!」
隣で千夏がきゃーきゃー騒いでいる。
昔から千夏は私の事かわいいといってくれるけど、千夏のほうが断然可愛いと思う。
「可愛くないって」
それから、特に用もなかったので二人で近くのベンチに座って話をしていた。
《ねぇねぇ~!今暇ぁ?》
見知らぬ男子高生らしき男が二人で前に立っていた。
まぁ正確に言えば、千夏が話しかけられていた。
「暇じゃないです」
千夏がチャラ男に答えた。
千夏はナンパって言うのが一番嫌いなんだよね。
少しきれ気味の千夏を横目に私はチャラ男を見た。
ベージュのカーディガンからボタンがかなり開いているシャツを着て、ネクタイはゆるゆる。
ズボンはかなり腰パンしていて、だらしがない。
いかにもチャラ男って感じ。
「えー!明らかに暇じゃぁん!今からカラオケ行くんだけど一緒に行こー!」
いちいち語尾をあげるのがむかつく。
「行かないです」
足早に去って行こうとした瞬間
「ちょっと待って」
