『愛~!おはよう♪』

「あっ!千夏おはよう」


朝から家に押し掛けてきたのは、私の幼なじみ兼、親友の近藤千夏(コンドウチナツ)。


千夏とは、家が隣でいつも朝迎えに来てもらうんだ。

そして、N高校も同じでこれからも毎日一緒なんだ。

私にとって千夏は、私の憧れの存在だ。
容姿端麗で背は高いし、性格も明るく社交的で、異性からも同性からも好かれるタイプ。
茶色がかった髪はショートカットで爽やかだし、はにかんだときに出来るえくぼとちらっと見える八重歯で悩殺スマイルってやつ?


本人は全く気づいてないけどね♪

「大樹も来ればよかったのにねー」

切実にそう思う。
大樹がいたら、きっと毎日学校が楽しいだろう。


「切実にそう思う(泣)」


「愛ってば…本当に大樹ラブだね!大樹無しじゃ生きてけないの?」

大樹無し…

今の私じゃ考えられない。

大樹は、私の全てだもん!

…恐らくその時の私はそう思っていただろう。



「当たり前だよ!てか入学式何時からだっけ?!」


「9時からだよ。…ってもう8時30分じゃん!ここから学校何分?!」


大樹のことを考えいたら、あっという間に時は流れて行き、今日が入学式という大事な日ということも忘れていた。


「頑張れば20分!」

私たちは自転車通学なので、相当ダッシュで行けば間に合うだろう。


「よし!いくよ!」
二人は、ダッシュで高校に向かった。