「そうですか……。助かりました」
そう答えることしかできなかった。
歩が少しだけ落ち着くまで待って、駅員にお礼をして事務所を出た。
先生は今にもフラフラと倒れてしまいそうな歩の身体を支えて車に連れ込んだ。
歩を助手席に乗せてから自分も運転席に乗り込む。
「今からどこか行きたいとことかある?」
先生は敢えて明るく聞いてみる。
「ゴメンなさい…………」
歩は先生の問いを遮るような感じで謝ってきた。
「何で歩が謝るの?歩は何も悪くない。悪いのは痴漢をしてきたヤツだろ?」
歩は首を横に振る。
「………違う、違うの、違うの。」
歩はまた震えて泣き出した。


