歩は帰宅するため、通学にいつも使う駅に向かう。
改札を通り、ホームで電車を待ちながら、先生にメールを送った。
『仕事お疲れ様です。明日、時間が空いてたらで良いんだけど、会わない?大事な話があって聞いて欲しいの。一応、いつものカフェでご飯食べよう』
忙しいのなら食事程度が無難だろう。
するとすぐに、
『いいよ。じゃあ明日迎えに行くよ』
と返ってきた。
歩はため息をつきながらケータイを閉じた。
高校生の時は先生ともっと近付きたくて早く卒業できないかな、なんて考えていた。
だけど卒業した今、まだ高校生だったら会う時間も多いし、相談しやすいのにな、なんて考えている自分がいる。
どっちもどっちで複雑な気持ちがして、ため息が溢れた。
すると目の前に電車が到着し、停車して扉が開いた。
歩は乗車した。