歩は居心地が悪かったわけではないけど、ため息が溢れた。
ふと先生が真山が置いていったお金に目をやる。
真山は1人分のお金を置いていったのだと思っていたが、明らかに多い。
きっと3人分のお金を置いていったのだろう。
「………逆に借りを作らせたかな、」
先生は真山の変わりようと、元生徒に気をつかわせてしまったことに苦笑した。
「まさか真山さんが謝りに来てくれるだなんて、高校生の時は思ってもみなかっただろうな。あの時は嫌で嫌で仕方なかったもの」
歩は少しだけ笑った。
「歩は真山を許す?」
先生の問いに歩は少しだけ苦笑した。
「別に許すつもりはない。今でも恨んでるよ」
と言いながらグラスの中の氷をストローで突っつきながら呟く。


