「………何だか大きな喪失感がしました。見捨てられたなんて勝手に思って、なんだかんだ親にずっと助けられてたんだって知って………。
失ってから自分の愚かさに気付いた。彼にも親にも酷いことばっかりしてきたんだなって………。」
真山の目から涙が溢れた。
「その時、黒瀬さんの苦しみに初めて気付いた。私が黒瀬さんにいじめる度、過去を持ち出す度、傷付けてきたんだって……初めて気付いた。
私取り返しのつかないことばかり………。」
真山のフォークを持つ手が震えていた。
歩が真山の手を掴んだ。
手の震えを止めるように――。
そして微笑みかけた。
「大丈夫………。真山さんの言いたいことは伝わったから。もう言わないで?あたしも過去のこととか………話すだけで辛かったから。
辛いでしょ?誰かに分かってもらおうと話すだけで………。あたしの苦しみ分かってくれただけで嬉しい。だからもう言わないで……?」


