「ゴメンなさい…………」


歩は謝ることしかできなくて、涙目で頭を下げた。


あたし、嫌われちゃったかな――……。



怖くて肩が震える。


足もすくむ。


静かに静かに泣いた。



すると先生が抱き締めてくれた。


まるで子どもをあやすように背中を擦ってくれた。



「ゴメン………、俺、無神経だった。トラウマがあること分かってながら身勝手なことしてゴメン。」


先生は謝る必要なんか、どこにもない。


悪いのはあたしなのに―――。


過去をいつまでも引きずってるあたしが悪いのに――――。



歩は首を横に振りながら泣いた。



すると先生は歩の涙を優しく指で拭った。


「歩が落ち着くまで、怖くなくなるまで、不安じゃなくなるまで、俺はいつまでも待つ。そう約束する。だから泣き止んで？」


と優しく言ってくれた。