やっと先生が唇を離した。


歩が少し乱れた呼吸を調えていると、首筋に先生が唇を付けた。



え―――――。



歩の脳裏に“あの時”の記憶が蘇る。


あのレイプの記憶が………。



「………や!」



歩は先生の身体を咄嗟に突き放してしまっていた。


ビックリする先生。


歩は咄嗟にしてしまった自分の行動に頭が真っ白になる――――……。



嫌だ―――……。


あたし、今何したの?


まるで先生を拒絶しちゃったみたいだ………。


嫌いじゃないのに。