「ダメ。あたしから言う………。あたしから伝えたい」
歩は先生の目を見て言う。
「でも───……」
先生は心配そうに歩を見つめる。
「大丈夫だよ。」
歩は軽く微笑んだ。そして3人に向き合った。
「あの………実はあたしには親がいません。あたしが物心つく前に亡くなって……。それで施設で育ちました」
3人の表情が微妙に変わる。
みんな気をつかってか、微妙にしか反応しないが、ちょっとでも表情が変わっただけでチクリと胸が痛む────。
でも真実は真実。
いつまでも隠し通せはしない。
歩は続けた。
「それであたし────、」
「おい、無理に話さなくても………」
先生がさっきより心配そうな表情をして歩の肩を掴んだ。


