「やっぱり名残惜しい?」
先生が軽く笑いながら問いかける。
「………うん。ちょっとだけね。別にもうここに来ないってわけじゃないのにな」
歩は苦笑した。
「そう言うもんだよ。俺もそうだった。」
「先生も?」
「うん。俺にとっては高校の通学に使ってた路線。大学も高校の近くだったから同じ路線使うんだけど、高校卒業したらさ、これからもこれに乗るんだって分かってんのに何か名残惜しいっていうか寂しさが込み上げたもん。」
「ふーん。そういうもんなんだ……」
と歩は相槌をうってにんまりと笑った。
「なんだよ。いきなり笑って。気持ちわるいなぁ。どうした?」
「だって少しだけ先生のこと知れた気がして嬉しいんだもん。先生はあたしの過去も今も知ってるけど、あたしは先生のことあんまり知らないし」
「ずっと俺に対してそんなこと思ってたの?別に何でも聞いていいのに。話せることは話すし、」
「ホントに?!」
歩は嬉しそうに笑った。
先生のこといっぱい知りたい。
いっぱい聞きたいことある。
これから先生はあたしの生活のパートナー。
嬉しくて堪らなかった。


