「じゃあ、あたし行きます。今までお部屋使わせていただいてありがとうございました。本当に助かりました。これからもよろしくお願いします」
歩はみんなにお礼をして店を出ようとした。
すると店長が『歩ちゃん』と名前を呼んだ。
歩が振り返ると店長が歩に抱きついてきた。
ちょっと困惑する。
「歩ちゃんよかったね。本当によかった。私、きっと、あの先生ならずっと歩ちゃんを大事にしてくれると思う。今まで一人で頑張ってきた分、思いきり甘えちゃいなさい。」
店長の言葉に泣きそうになったが堪えた。
「ありがとうございました」
と歩は頷き、みんなに手を振り、店を出た。
歩が出ていった店内。
「歩ちゃんよかったね。」
「そうですね」
みんながそう言いながら仕事を再開し始めた。
店長はまるで我が子を見送るように歩が出ていった扉を見つめ、
「本当によかったね」
と独り言を呟き、仕事を再開した。


