すると歩の目から涙が溢れた。
「あれれ?何で嬉しいのに涙が出ちゃうんだろ………」
歩は苦笑した。
すると先生が優しく手のひらで涙を拭う。
その優しさにもっと涙が溢れる。
涙の理由はわかってる。
ずっとずっと一人で、バイト先で暮らしながら苛めに立ち向かって、過去を隠して頑張ってきた。
初めはすごく苦しかった。
バイト先の従業員とはすぐに馴染めなかったし、友達はできない。それどころか苛められて、居場所がなかった。
でも先生と出会ってから変わった―――。
居場所が見つかった。
バイト先でも気が楽になった。
苛めがなくなった。
それだけで満足だった。


