ちょっとだけ待たされたが予想してたより早く席に通された。
歩は“手まり寿司の華御膳”を、先生は“黒豚とんかつ定食”を選んだ。
料理が席に運ばれてきて、二人はそれをお喋りをしながら手をつけた。
「あの最後のところ泣けたよね。全体的に泣ける作品だったけど、そこまで堪えられてたのに、最後はさすがに泣いちゃった」
「俺も泣いたよ」
「えー?先生って泣くんだね」
「何それ?俺だって人間なんだから普通に泣くよ。感情ないみたいに言うなよ」
「だって先生の泣き顔みたことないもん」
と二人でさっき観た映画の感想を言い合った。
普段であれば、映画を観たあと、ランチを食べながら言い合うのだが、今回はランチを映画より先に食べたので今となった。


