「今度の日曜日、空いてない?」


歩はバイトが終わり、部屋でくつろいでいる時に先生に電話をした。


『空いてるよ。何か行きたいとことかあるの?』


「ううん。特にはないの。先生に会えればどこでもいいから先生が行きたい場所決めていいから」


『そっか。じゃあいつもの喫茶店にする……?あ、でも毎回そこってのも代わり映えがなくて面白くないよな。』


「あ………そうだね」


『じゃあ始めてのデートの時みたいに映画館行って買い物でも行く?俺、気になる映画があるんだよね』


「うん」


二人はデートの約束を取り付け、いつものように世間話をしばらくしてから電話を切った。


高校生の時は毎日学校で会えていたのでそこまで頻繁じゃなかった電話も、歩が卒業したら毎日会えるわけではないので多くなった。


月々のケータイ料金は痛いが声を聞けるだけでそんなこと苦痛じゃない。


歩はケータイを閉じてにやけた。