部屋に向かうと荷物を置いた。 袋からマグカップを取り出し、見つめる。 「先生と二人暮らしか………」 歩はマグカップをコツンと軽く指で突っつき、独り言を呟く。 “一緒に暮らさない?”と聞かれて、とても嬉しかった。 歩は親を小さいときに亡くしているため、誰かと暮らすなんて記憶にある範囲、経験したことがない。 施設で育ってきたので、集団生活しか経験したことがないのだ。 先生ん家で過ごした時間はとても暖かい気分になった。 ずっとこのままいたいと思った。