「前から一緒に暮らしたいなって考えてたんだけど、昨日、改めて歩の寝顔を見たとき、ずっと一緒にいたいって思った。ずっと見守っていたいって思ったんだ。
これは俺のわがままなんだよ。迷惑かけるとか、そんなこと気にしないで、俺の提案、考えといてくれないかな?」
歩は小さく頷いた。
先生は優しい笑顔で頭を撫でてくれた。
すると信号が赤から青に変わり、先生は車を再び走らせた。
その後はふたりの間に会話はなく、中に響く音は、エンジン音とカーステレオから聞こえてくる音楽だけだった。
そのままバイト先の前に着いてしまった。
「はい、到着です」
「ありがとう」
歩はシートベルトを外す。
鞄と、さっきもらった水玉のマグカップの好きな色の方を持ち、下車しようとした。
すると先生が歩の腕を掴んだ。


