歩も微笑んで『お久しぶりです。』と返した。
鷹宮は歩が受けた数学の授業、3年間すべて携わってきた。
だから顔馴染みだし、ある程度喋ったこともある。
「あら、制服着てないからかしら。見ない間にとても大人っぽくなって」
「そんなことないですよ」
歩はちょっと嬉しそうに手を横に振りながら否定した。
「あら、でもどうして津田沼先生と一緒に?」
鷹宮が首を傾げる。
少し前なら『偶然会って……』とごまかしたはずだが、歩が卒業した今、ごまかす必要性がない。
先生が、
「見られたので鷹宮先生だけに教えますが、実は俺たち付き合ってて。今は、あゆ……黒瀬は俺の彼女なんです」
つい“歩”と言いかけたところが可愛らしくて歩はクスッと少し吹き出した。
鷹宮先生は驚いた表情をして『まぁ、』と呟いた。
「あらあら、いつからなんですか?」
何だか顔立ちは若く見えるが、喋り方がおばさん口調の鷹宮が問いかける。


