しばらくすると歩が落ち着きを取り戻し、
「さっき、どこか行きたいとことかあるって聞いたよね……?」
「あぁ、どこかあるの?時間があるなら連れてってあげるよ」
「今日は一日中傍にいて欲しいの……。一人になりたくなくて……。傍にいてくれるならどこでもいい。」
歩は下を向いて呟いた。
すると先生は歩の手を握ってきた。
「じゃあ俺ん家来る……?」
歩はその一言に顔を赤くした。
別にそういう意味でいったんじゃなかった。
ただ今は一人になりたくなくて、ただ軽い気持ちで言っただけだった。
だけど――――――。
そうだったんだけど――――。