俺は一人うろうろしていた。


「お客様、危険ですのでお座りください」

「穂高。さっさと座りなさい」


高野にぐいっと引っ張られて高野の隣に座った。


「優柔不断でごめん…」

「別にいいよ…今に始まった事じゃないし」

「カッコ良く決めたいんだけどなぁ、経験不足かな」

「そうかもね?童貞君だし」

「はっ」


そうだ…忘れてた…こんな事忘れてたなんて男としてどうかと思うけど、いつかは高野と…。


高野に筆おろしを!?


いかーん!こんな所で妄想したらいかん!


すると、高野に頬をつねられる。


「何変な想像してんのよ?」

「ほれ…声にでれら?(俺…声に出てた?)」

「やっぱり変な想像してたんだ?最低…」


高野はつねるのを止めて足と腕を組んで窓の方を向いてしまった。