高野に見付からないように自転車置き場の方に抜ける。


「……弘貴…駄目だって…こんな所で誰か来たら」

「こんな時間に誰もこねぇよ」

「…あ、もう…んっ」


思い切り通りましたけど!


弘貴と天井のキス現場をまた見てしまった。


二人は付き合ってないはずなんだけど…


弘貴の鬼畜め!


好きならちゃんと天井と付き合えよ!


断然天井の味方の俺は弘貴に怒りを覚えた。


天井が弘貴のキスを拒めるわけないんだ。


「穂高?そんな所でなにしてんの?」


高野から隠れたはずが高野にあっさり見つかった。


「いや…その…」

「さっきの見たでしょ?」

「あ…うん…ごめん」

「別にいいよ。隠れる必要あんの?」

「なんとなく…聞いたらいけなかったと思って」

「はぁ…さっきのですっごい気分悪くなった。いつもの買ってきて」


"いつもの"

ミルクティーの事だ。

ちょうど俺も飲みたくなってきた…


「わかった!」

「あー!もう!わかったじゃない!何で俺が…みたいにならないわけ?」

「え?何で?俺もミルクティー飲むし、普通じゃないの?」

「もういいよ…私も行くから」


高野はそう言って一緒にミルクティーを買いに行った。