入学式。


校門でクラス割の書かれたプリントをもらい、教室に移動した。


去年まで男子校という事もあるのか各クラスに女子は男子の4分の1程度しかいない。


自分のクラスの名前を眺めると、一人の女子の名前に目が止まった。


高野結花(タカノ ユカ)


あの時おばあさんが彼女の事を「ゆかちゃん」と呼んでいた。


いや「ゆか」なんて名前の人は世の中にたくさんいる。「ゆかり」かもしれないし、「ゆかこ」かもしれないし、とにかく淡い期待を持つのはやめよう。


あの体型を卒業しようと思った理由は彼女と普通に話したかったというのもあったけど、このままだといくらあのクラスから解放されて全く新しい高校に通っても変わらないと思ったから。


変わりたかった。


俺は拳を握り、教室に入った。