それからというもの、

遠くに先生の姿を見つけては

来た廊下を戻ったり、

曲がり角を曲がったり、

近くの教室に隠れる毎日だった。



HRなどは

俯いたり、窓の外を見たり、

本で顔を隠したりしていた。











それを見ていた美鈴は

呆れたように言った。


「避けてるのモロバレだよ。」



「そ、そんなの解かってるよ…。」


私の言葉にはぁっ、とため息をついた。





「まあでも、明日は
 千架が日直だからね。」









































「ええええええっ!」

そう叫びながら、

ガタッと立ち上がった。


突然の大きな声に

美鈴は勿論のこと、

周りも驚いていた。


それに気がついた私は

すぐさま座りなおした。


「む、無理だよ…。」



だって日直だったら
絶対話さないといけないし...





「でも、このままだったら
 卒業するまで喋れそうにないし。
 良い機会なんじゃない?」

美鈴の言葉を少し考えてみた。


でも、確かにそうだな...
喋る機会はないかも...




「う、うん。
 私、頑張るね!」

私がいうと美鈴は

大人らしい笑顔を見せた。


「もしダメなら私に言ってよ?
 これでも親友なんだから。」

そして、ね?と首を傾げた。



そんな美鈴の言葉が嬉しくて私は

決して大人らしい笑顔じゃないけど、

にっこりと笑ってみせた。