その日の放課後。
図書委員会の私は
司書の木嶋さんに
頼まれていた仕事をしていた。
窓からは夕陽の鮮やかなオレンジが
本たちを照らしていた。
カタッと音がして
その方向を向くと、
立ち尽くす先生がいた。
「せっ、先生っ!」
私は反射で立ち上がった。
「お、おう。」
ハッ、と我に返ったような先生。
「えっと…何してるんだ?」
首の後ろを触りながら
こちらへ歩いてきた。
「木嶋さんから頼まれたので、
少ししていただけですよ。」
近くの椅子に腰を下ろした。
私もそれを見て
椅子に座った。
「まだかかるのか?」
近くにあった本を手にとり
パラパラっとめくった。
その様子をポーッと見ていた。
絵になる.....
「柏木?」
見とれていた私に声をかけた。
「ふへっ?あっ、はいっ」
自分の発した言葉に赤面した。
なんであんな変な声を~.....
「まだかかるのかなぁ、って。」
持っていた本を棚に返しながら言った。
「あ、いえ。
もっ、もう終わりますからっ。」
慌しく片付けをした。
遅くまで残ってて迷惑掛けちゃったよー
良い生徒でいたかったのに~....
急いで後片付けをした私は
鞄をつかんで立ち上がった。
「ご、ご迷惑を掛けてすみませんっ。」
ペコッと一礼して図書室を出ようとした。
だけど、いきなり
先生がプッ、と吹き出した。