顔が近くて、

顔が熱くて、

先生から目が離せなくて、

鼓動が速くなって、


気がつくとその場に座りこんでいた。


「何、ヘタってんだよぉ。」

そう言われながら差し出された手。

震える手で、先生の手をとった。






「下ばっかり見てないで、
 高校生活を前向きに楽しめ。
 良いことがたくさんあるぞ?」

先生の笑顔が、輝いて見えた。




その笑顔に

胸がきゅぅっとなった。

さっきよりも、もっと

鼓動が速くなって…。


好き、が溢れ出した。



「良いことならもうありました。」

自然と笑みがこぼれた。


先生はそうか、と小さく笑った。




×××


今思えば、

一目惚れに近かったかもしれない。




それ以来、

先生を目で追うようになり、

見るたびにきゅぅってなって、

自然と笑みがこぼれた。






叶わない恋だけど、

それでもいいんだ。


先生が笑いかけてくれるなら。




それだけで幸せだから。