*** 三浦さんが転校してきてから、早一ヶ月。 席が隣、っていうのもあって、ときどき話すようになった。 「三浦、宿題やった?」 「え?…ぁ、うん」 「見せてもらってもいい?」 昨日、夜中までマンガを読んでいた俺は、宿題のことなんて完璧忘れていた。 「全然いいよ」 三浦はそう微笑み、ノートを差し出した。 「…あの、橘くん」 「んー?」 「あたし、今日日直なんだけど…日誌の書き方がわからなくて……」 そう言って俯いた。 「いいよ、教えてあげる」