髪が頬に付きくすぐったくて、時折匂う楓くんの匂いにドキッとしてしまう…。



「夕方迎えに行くから」

「…それって――」



梓くんが言ってた花火大会のこと…ですよね…。



先ほどの梓くんとした、やり取りを思い出して胸がきゅっとなる。



「…オレと二人は嫌なわけ」

「違っ…います」



ただ…三人一緒だったら楽しいなって思っただけです。



上手く表現できない感情を喉の上で押し止める。



「なら悲しそうな顔するな」

「…っ!?」



図星を突かれて口ごもりパクパクしながら顔を染めた。