私…何か喋った方が…はう!
話題がありません。
一向にお互いが口を開かない時間が続く。
息が少し苦しくなって心臓の音も身体中に響き出した。
呼吸を整えようと大きく吸った時、楓くんの声が耳へ届く。
「明日、昼過ぎに迎えに行くから」
「へ?」
私より先に重たい空気を打ち消したのは楓くんで。
昼過ぎに迎えに行く…??ですか。
心の中でリピートを繰り返して放心状態です。
「おい、放心状態になるな」
「……」
「一応付き合ってるって設定だろ。だから出掛けることくらいしねぇと、周りから変に思われるだろうが。頭使え」
「…ゴメンなさい」