「ちょっと待っててください!すぐ準備しますからっ!」

「了解〜」



ピースサインを顔の横でする美奈子ちゃん。


美奈子ちゃんが待っててくれてる間に机から残りの小説……



昨日買ったばかりの早見先生の新作ですっ!



大事そうに大切な物を扱う仕草で小説を取り鞄へ入れようとしたら…ひょいと横取り。


手元から小説はなくなってた。



ふえっ?小説……。



「…お前、今日からオレと帰る約束しただろが」

「………っ!?」

「勝手にケーキ食いに行く約束すんじゃねぇよ」



悪魔の囁きみたいな声が耳元に触れた。


耳たぶを真っ赤にした私はニ歩後ずさり。