その姿を見て強くブレザーの裾を握り、決意を込めて口を開けようとしたら



「あっ、永瀬くんと秋山くんだ」



誰かが小さい声で確かに言ってるのが耳に入った。


楓くんも梓くんもいつも通りに振る舞ってて昨日のことなんか気にも留めてない様子。


食い入るように見てたらふいに楓くんと目が合い、悪いことをした子供みたいに怯えた私は自然と顔を思い切りそらしてしまった。



はううっ!目をそらしてしまいました!

どどどどうしましょう!!


昨日あの後、私は梓くんから逃げてしまいましたし。


楓くんにだって何も告げず帰ってしまいました。


きっと怒ってるに違いありません。