図書室を出てすぐに鉢合わせしたのは 「遅い」 顔を強張らせた楓くん。 「すいません……。寝ちゃってて……」 「そのわりには泣いた後みたいに目赤いな」 「!!!」 梓くんが帰った後に少しだけ泣いたから、それを見破られてしまってドキッとする。 「寝てましたから」 「………」 「早く帰りましょうよ」 この時はじめて自分から楓くんの手を引いた。 はじめて握りました……。