「私図書室行くの忘れてました。じゃあ…さようなら」 ダッと荷物を抱えて教室から飛び出る。 振り向くこともせず、ひたすら走って階段を下りた。 息切れが激しくなり走るのを捨てて歩くのに変えた時。 ポタッ――… 廊下に涙が一粒。 ポタッ――… 二粒。 目を擦っても手に残る感触と廊下に落ちる粒は確かに私の涙。 それが限界だったと言わんばかりに、その場に膝を抱えて立ちすくむ。