どうして……こんなに胸が痛いんでしょうか……??



「てかさ告白されたんなら、一言くらい言ってくれたら良かったのに。俺、空気読めない奴みたいじゃん」



普段通りに梓くんは接して頭をニ、三回掻く。



「今日だって……。楓が愛生を連れ出すのも無理ないか」



はあっとため息を落とすのが静かな玄関に響いて耳に残る。



「明日からはさ、俺も邪魔しないか――」

「ゴメンなさい!私、用事あったんです。だから……だから……帰りますね」



帰りますね、の最後の文字まで言えなかった私は逃げるように飛び出た。



ガチャ



自分の家の玄関に足が入った所で一人膝を抱え座り込む。