「あっちは用が済んだようだな」

ノラが亜美達がいる場所を見て言った。
「逃げないの?」

「逃げる訳ないだろ?」

「亜美に言わなきゃいけない事があるしな」

その時…

「孫紛!」

黒次がやってきた。

その声に亜美達も気づいた。

「黒次…」

「黒次隊長!」

ノラはやはり逃げようとはしなかった。と、言うよりは亜美がこっちを見たのを確認していた。

「亜美!そこから離れて!」

そう叫んだのは黒次の方だった。

「えっ?」

その瞬間…

ノラが亜美の腕をつかんでいた。亜美はつかまれた腕をはらおうとした。が、ノラが握った手は亜美の腕から離れようとはしなかった。

『亜美!』

私と黒次はほぼ同時に叫んだ。

「白木亜美。…お前が昔やった事は絶対忘れん」

そう言って、ノラは亜美の腕をを離すと同時に私達の視界からも消えていた。もちろん、削地も…