時間は、朝の7時ちょっと過ぎ。いつもどうりに起き、ご飯を食べ、着替えて、歯磨きをして、鏡を見て変じゃないかを確認して、家を出た。
時間は、8時ちょっと過ぎくらいだった。そして、家から出てきた亜美の姿を見て、昨日の電話の内容を思い出す。

『ノラは「サラキの目」を狙っている可能性がある』

何回も、この言葉が繰り返し聞こえていた。目を向けといてくれ、と言われても俺は中学部。亜美は高等部。

「どう見張ればいいんだよ…」

俺は誰にも聞こえない小さな声でしゃべったと言うよりは、つぶやきに近かった。
その時だった。物凄い霊殺を感じた。霊殺は、普通、死神や悪魔払い、悪魔にしかないものだ。後ろの方から感じたようだったが、後ろを向くと同時にさっき感じていた霊殺がなくなった。

動きを悟られた?それとも、気のせい?

そんな事を思いながら、学校に足を踏み入れた。

そして、衝撃的な事が待っていた。

俺がいた教室でそれは起こった。俺がいた教室にさっきの霊殺が近づいていた。それと、同時に見知らぬ人が入ってきた。

「はい!みんな聞いて!転校生の削地裕也君です!みんな仲良くしてね」

そう。物凄い霊殺を持っているやつが、転校生として、俺の教室に来たのである。