「恥ずかしがんなくていいだろぉ?」
そう言った喜人さんは少し困った顔をした。
「ごめんなさい…。こういうことを初めてで…」
初めて恋を知って、初めて苦しみを知って、初めて人を愛した。
だからこうすれば相手が喜ぶとか、こうすれば嬉しいとかよくわからない。
「そっか…。無理言ってごめんな」
そう言って喜人さんは握っていた手を離した。
でも離れてしまった途端に、なんだか胸がモヤモヤとしてきた。
恥ずかしいけど、そうじゃないんだ。
近くにいたい…
触れたい…
「喜人さん!」
「ん?」
「ゆっくり…教えてください…」
喜人さんは笑った。
「了解、お姫様。ではまずはお手を握りましょうか」
喜人さんはさっきみたいにぎゅうっと握ってくれた。
すごく安心した。

