「沙弥が俺の顔見てくれてるのは嬉しいけど、俺は沙弥の顔見られないんだよね…」
「私、み、み、見てませんよ!」
でもこんな強がりを言っても喜人さんにはお見通しなわけで…。
「あ、やっと信号赤になった。沙弥」
私は恥ずかしくて顔をそらした。
「さ~や。俺視線わかってたぞ。こっち向いて」
恥ずかしいよ…。
そう思ったとき、耳に何かあたった。
え…?
その瞬間、
「沙弥、愛してる…」
「え…」
びっくりして振り向くと喜人さんが笑っていた。
「やっと向いた」
「ズルイです…」
「だって沙弥が向いてくれないから」
「…」
「沙弥顔赤い…」