「沙弥、どっか行きたいとこある?」



「うーん…。特には…」



「あはは、言うと思った。じゃあ俺が勝手に選んでいい?」



「はい!お願いします!」



「了解!ではお連れします、お姫様」


そう言って私の頭をくしゃっとした。



…喜人さんは私をドキドキさせるエスパーかもしれない…。



ちらっと運転している喜人さんを見た。



そういえば喜人さんって車乗るんだ。


知らなかったな…。



ううん。

それだけじゃない。


よく考えたら私、喜人さんのことまだ何も知らないのかもしれない。



大学受かってから付き合ったけど、私はすぐ留学しちゃって…。


しかもなかなか会えないし…。


やっぱり寂しい…。



喜人さんもそうに思ってくれてる…?