「お邪魔します…」
喜人さんの家はレストランの奥の方にあった。
「散らかってるけど…」
そうには言っているものの、綺麗に片付けられていた。
「もう夜も遅いし、お風呂入って寝た方がいいよ」
「え?」
あ、寝るの?
さっきのことだからてっきり…。
「何、食べられたいの?」
「いやいやいや!そうじゃないっ…」
「1日中飛行機で疲れてるだろ。今日は体休めた方がいいし。
食べるのは沙弥が元気なときに…」
「わぁ!!ちょっ…」
「あはは。ほら、風呂沸いたから入ってきていいよ」
「あ、ありがとう…。あ!!喜人さん…」
「ん?」
「…ただいま」
「おかえり…」
喜人さんはそう言って私を抱きしめた。