「沙弥…」


喜人さんが私の手を取ってこっちを向いた。



く、来る!!



そう思ってぎゅっと目を閉じた。


すると頭にぽんっと柔らかい感触が伝わった。



「沙弥…。俺をあんまり煽るな…。今すっげぇ我慢してるから」



「…我慢しないで。私喜人さんなら…」



大丈夫って言おうとしたができなかった。





それは喜人さんが私の唇を塞いでいたから。




「ん…よしと…さん…!」



「もうどうなっても知らないからな。沙弥が責任取れ」



私と喜人さんは深い闇に落ちていった。






でも私は…。








卒業はしなかった。