「あの…近いから恥ずかしい…」
「なんで?」
なんでって…。
「なんで近いと恥ずかしいの?」
喜人さんはこの状況を楽しんでる。
「言ってみ?」
だってすごく面白そうに笑ってるんだもん。
私が顔が真っ赤なのを知りながら。
「喜人さんが…好き…だから。…恥ずかしい」
そう言った瞬間、私と喜人さんの唇が触れ合った。
観覧車のてっぺんだった。
「ん…喜人さんっ」
「沙弥、お前本当にかわいすぎ」
「喜人さん…。好き…」
「今日はキスを教えてやるからな?」
「!!…ゆっくり。お願いします」
「了解!」
そしてゴンドラが下に着くまで、もう一回喜人さんの唇に触れた。