ずっと…




教室に着くと、涼弥と潤は、それぞれの席に座った。
潤は、一番前の席で涼弥は、一番後ろの窓側だった。
潤の席には、昨日のテレビを見た奴等が集まっていた。
潤は、人気者だ。
表も裏もなく、テレビと普段も変わらない。
ムードメーカー。
涼弥とは、違っていた。



「今日は昼から?」

そう言い涼弥の前に座ったのは、東悠(アズマユウ)だった。

黒髪に眼鏡で長身。そしてイケメン。
悠は、俳優兼タレントをしているIQ200の天才だ。



「…そう。」
「人気者は忙しいねぇ~」
「よく言うよ。…見たよ。ドラマ。」
「あっ、どうだった?」
「かっこよかった。」

涼弥は、微笑んで言った。

「はは、ありがとう。」
「ただ…」
「?」
「ヒロイン役の奴は下手。」
「ああ。明日香ちゃんね。
まぁ、彼女は顔だけだから。」
「演技全てが不自然。
台詞は棒読み。表現力なし。
おまけにあの声。作りすぎ…」
「相変わらず厳しいなぁ。」
「そんことない。ただの、感想だよ。」
「まっ、俺も涼弥に怒られないように頑張るよ。」
「なにそれ。」
「ははは♪」



悠はいつもこんな感じ。
涼弥をからかってばかりだ。
そんな悠に涼弥は、かなり心を開いていた。
くだらない話から仕事など深い話まで、何でも話すことができた。