「どごさァ…、」
「来てくれ、そこで聞いて欲しいんだ!」
 そこに行けば全てが終わる。「悔い」は昨日消えた。今度消してもらうのは、「罪」。憲治はそう「思い込んで」いた。
「駄目だァッ!」
 後ろから追いついた「少女」が憲治の腕をつかんだ。
「あんだ、『あの教室』さ行ぐつもりだべ!」
 「少女」の言葉が悲鳴に近いことを感じた憲治は、振り向いて「少女」を見た。だが、これから行こうとする方から誰かが呼ぶ。言葉にならぬほど微かに、しかし、憲治には耐えられない「嘆き」であった。