スピリット・オヴ・サマー

「すみません、『センセエ』。」
 憲治がふざけて言うと、
「素直でねぇなァ。」
と「少女」も笑った。だが、ほんの少しの間だったが、真顔になって憲治を見つめて言った。
「ただし、おらにも加減できねぇモノや、分らねぇモノもある。特に、生きだ人間が置いで行った『生き霊』辺りは気ぃ付けでな。生きだ人間が『場所』に残してった惟いどご核にして、でがぐおがって(大きく育って)いぐ悪い『憑ぎモノ』もある。あんだ、霊的な抵抗力はおらと会う前に比べると、3割ほど減ってるがらな。」