「それに、この『空間』はな、あんだの『内宇宙』も作用してんだからなァ。」
 憲治の目の前で振り回す「少女」の白い指先。その動きにつられる様に、首を振りながら憲治は聞き返す。
「内宇宙?」
「んだ、あんだが普段、夢でしか見れねぇモノをだ、おらの『結界』と『精神的非存在空間』の中に投影してるなしゃ。」
「つまり、俺は『起きてるのに夢を見てる』と?」
「正確には、あんだの夢が現実空間に『ハミデテ』しまってるんだなァ。それに、おらみだいなモノが反応してるなしゃ。人間の心理状態が99%、他の微弱な精神波的エネルギーが1%。『学校の幽霊』など、八割方それだべなァ。」