どことなく自慢げに語る「少女」が、憲治の目にはただの「女の子」に見えてしまってしょうがない。それだけに、その語られる内容の突飛さ加減がおかしくて、憲治は少し噴き出した。
「あー、信じでねえなァ?」
「そんな話、聞いたこともねえ。俺だっておかしいと思うぜ。」
「なぁに、昨日も今日も、あれだげ不思議な目に会ってだくせにィ…。」
 途端にムキになる「少女」。その仕草も、憲治には愛しく思える。