憲治は、何、といった感じで首を傾げた。
 すると「少女」は先生よろしく、憲治を席に着かせて、黒板にチョウクで『意識』だの『空間』だのと書きながら「楽しげに」話を続けた。
「もっと簡単に言うとだ、あんだがいるこの教室は、『物質』としては存在していても、他の人間が気に止めていねぇがら、今この瞬間は『空間』としては現実世界には存在していねんだァ。こんたごだぁ(こんなことは)、大学でな教えねべ?」