青空に目を奪われていた憲治は誰かにぶつかって、転ばせてしまったらしい。
「あらら、ごめんなぁ…。」
 憲治はあわてて相手に手を差し伸べた。と、相手はさっと憲治の手を取ると、その手をぐっと引き寄せた。憲治は気づいた。
「あっ、お前…、」
「なぁにぼけらぁとしてだァ(何ぼけっとしてんの)?」
 腕を引かれて倒れ込んだ憲治を見上げながら「少女」が笑った。
「まぁだ、昨日のおらのブラジャーのことでも思い出してだんでねなだがァ?」