スピリット・オヴ・サマー

 夏の前半で稼いで、後半は真夏のビーチでナイスバディのギャルを愛でる、はずだった。ところがどうだ。
 建設現場のバイトから帰ると、ポストに届いていたのは母の入院を告げる父からの手紙。半泣きで駆けつけてみれば、差出人の父はしたり顔。母は至って健康で、憲治の突然の帰省に驚くやら、喜ぶやら。父の「策略」を恨んではみたが、どうせ帰る気もなかったんだろう、親孝行と思って最後までつきあえ、と言われた日にはぐうの音も出ない。その結果、何もないこの街で、安い時給でプール監視。相手は小生意気な中学生共。