「うん。だってさ、」
 憲治は「千佳子」を見つめながら、ちょっと間を開けて、だがあっさりと「告白」した。
「大好きだったから。お前のこと。」
 自分でも驚くほど簡単に出たその言葉に、憲治自身が戸惑っていた。「千佳子」の存在がそうさせているのかも知れなかったが、間違いなくその言葉は憲治のものだった。
 その言葉に「千佳子」は一瞬、きょとんとしたが、すぐに又優しい笑顔に戻った。そして腰掛けた机から離れ、憲治の目の前に立った。