スピリット・オヴ・サマー

「じゃあ、どうして俺は…。」
『あなたは帰りたかった。
 気がついていた。
 どうすれば「悔い」が消えるのか。
 どうすればあなたを縛る「純情」の鎖が解けるのか。
 そのために最適な方法は「過去に戻ること」。』
「無理だよ、時間は巻き戻せない。」
『ヒトはそのために夢を見る。
 夢はヒトに与えられた、懺悔のためのからくり。』
「じゃあ、これは夢、か?」
『そうかも知れない。
 でもそうではないかも知れない。
 醒めることが解かった時点で、夢は夢であり、その中にあっては現実として認識する以外にないでしょう?』